龍騎士殿下の恋人役〜その甘さ、本当に必要ですか?
「やはり、痩せっぽっちなのでこのデザインでは合いませんわね、次のドレスを持ってきてちょうだい」
……はて、なぜこんなことになっているのでしょうか?
きせかえ人形よろしく、あたしは次々といろんなドレスを試着させられています。そして、優雅にお茶をしながらリリアナさんが歯に衣着せぬ批評をしてくる。
こんな事態になったのも、ティーハウスでリリアナさんと遭遇したからだ。
年齢をきかれて今年の春に16歳になったと告げると、めちゃくちゃ驚かれた。まぁ、見た目は完全な子どもですからね…。
「では、今年の社交シーズンでデビューではありませんの?ドレスなどはご用意されてますの?」
「い、いえ……ドレスなんて持ってないですし……」
着る機会が無いのだから、ドレスなんてそれこそ無駄なんだけれど。そう思っていたら、なぜかリリアナさんがヒートアップしていく。
「なんてこと!ヴァイス殿下はブルームさんをデビュタントにさせないおつもりでいらっしゃるのですか?淑女に恥をかかせるので?」
「いや、アリシアのデビューはきちんと考えているよ」
「ですが、デビュタントは7月と決まっているのですわよ?あまりにも遅すぎではございませんの!?」
ヴァイスさんに喰ってかかったリリアナさんは、とんでもないことを言い出した。
「では、僭越ながらわたくしがブルームさんのドレスを見立てて差し上げますわ」