想いはじける、夏。
「俺の方が、美咲を好きだから」
ゆっくり振り返ると、初めて見る真剣な顔をした大河。
「あーークソッ、だせーな」
次の瞬間にはそう言いながら頭をわしゃわしゃと掻いて俯いた。
その姿を見ながら、さっき言われたことを頭の中でリピートしていると、ブワーっと胸の奥から込み上げてくるものがあって。
さっきとは違う意味で涙が滲んだ。
「ばーか」
素直になれない私はまたそんなことを言いながら、大河を抱きしめた。
「マジで・・・、下敷き返された時、終わったと思った」
すぐに背中に回された腕にギューと強く抱き締められる。
「ちょっ、痛いって」
「マジで好き。美咲」
フッと口元が緩み、私も負けじと自分の腕に力を込めた。
END

