カマイユ~再会で彩る、初恋

自宅に帰宅して千奈にメールを入れると、すぐさま電話がかかって来た。

「どうだった?」
「凄く楽しかったよ」
「そっかぁ、よかったね」

私の声を聞いて、千奈が安堵の溜息を漏らした。

もしかしたら、社交辞令的なやり取りかもしれないし、正直夢を見てるんじゃないかと半信半疑だった。
だからこんな風に事後報告でも、千奈に報告できた事に幸せを噛みしめる。

「何食べて来たの~?」
「創作料理。アヒージョとか抹茶風味の茶碗蒸しとか香草焼きも美味しかったし、トマトの冷製スープも美味しかったよ~」
「えぇ~いいなぁ~」
「隠れ家的なレストランみたいで、完全予約制だと思う。雰囲気的に一見さんお断りみたいなお店だったよ」
「えー何それ~~っ!先生、めちゃくちゃカッコいいじゃん」
「……うん。すっっっごくスマートだし、やっぱり凄くカッコよかったよぉぉ~~」

高校を卒業と同時に先生との接点を断ち切って、無理やり感情を押し殺した。
二度と振り返らないと心に誓って、必死に封印したのに。

同窓会でたった二時間くらい遠目で見ただけで、いとも簡単に感情が揺さぶられてしまった。
そして、翌朝のあのありえないシチュエーションから今日に至るまでのやり取りを通して、完全に蘇ってしまった。
胸の奥がキュ~~ッと締め付けられる感覚が……。

「また会う約束したの?」
「いつとか詳しい日取りは決めてないけど、次は中華に連れてってくれるって」
「えぇぇぇ~っ、それ完全にデートじゃん!!じゃあ、何?……告られたってこと?」
「……告られてはいないよ」
「え、えっ……どういうこと?」

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