アマチュア歌い手、言葉の通じない異世界転移先で古代語翻訳家兼、歌姫になる。
▼第一話
幼い頃に舌ったらずを揶揄われてからずっと内向的な性格だった歌い手・九重あかね(26)は、いつものようにバイトから帰ってきてベッドに寝ころびながらアップした歌のコメントをチェック中に寝落ちし、気が付いたら地べたに寝転がっていた。
断続的に地震が起きてるみたいだが、ここはシンデレラ城のようなお城をぐるりと囲む高い壁の外。周りには荒野しかないため何かに潰される心配はない。辺りにはたくさんの人が泣いたり叫んだり途方にくれたりしていて、言葉は理解できないけど、パニックになっている事は分かった。
ちょっとでも落ち着けばと思ってあかねが歌を歌うと、周りは落ち着いた。予想以上の効果を前に自分が一番混乱していると、何故か騎士がやってきて、王城に連れていかれた。

▼第二話
静かに話を聞いていると、英語を話している事に気がつき、話せはしないものの内容は大体分かる事に気がついた。
陛下から「ストレンジャー(よそ者)」と言われて少しムッとしながら、(本当は「世渡り人」と言われていたが、彼女には分からない)何となく話を聞き部屋に移動。
どうやら王城に置いてもらえるようで、安堵半分(どこにも行くところがないしお金もないから)どうせ夢だろうし、明日には覚めているだろうしという気持ち半分で就寝。
しかし、次の日の朝。めっちゃ豪勢な部屋で目を覚まし夢じゃなかったと気がついた。

至れり尽くせりで暇すぎて、窓の外を見ながら歌を歌ったら、何故か騎士達に取り囲まれた。

▼第三話
牢獄に連れていかれ、しばらく経ったら宰相が登場。
首輪を付けられて、「貴方の歌は人を狂わせる。これは歌を歌うと電撃が走るようになっている。痛いのが嫌なら歌おうとするな」と言われる。
夜、歌おうとしたところ首輪から電撃が走り、彼の言葉が本当だった事を知り絶望する。
彼女にとって、歌は口下手な自分の唯一の表現方法で、いつもそこにある大切なものだった。

(宰相サイド)
宰相は「彼女の歌に付与された魔法は人の精神に作用する。地震の時のように周りを落ち着かせる事もできれば、周りを先導し争いに駆り立てる事もできる力だから封じざるを得ない」と話しながらも、それによって食事も摂らず元気もなくなった彼女の事を心配する。(城としては、稀に現れる「世渡り人」を大切にしたいと思っており、宰相側は、あくまでも自分たちの言っている事が通じていないと思っている。経緯を満足に伝えられないままこのような措置を取らざるを得ない事にひどく心を痛めている)
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