山寺兄弟の深すぎる愛
「━━━━清輔が、祭理に惚れてるって話よ!!」
そこに、後ろから声がして振り向くと里羅がいた。

「「は?」」
「ちょ…里羅ちゃん!」

「ねぇー、清輔!」

「んー?」

「コクっちゃいなよー!」
里羅が、炭火の前にいる清輔に張り上げて声をかける。

「はい?」

「おっ!総長、やっとすか!?」
「頑張れ!!」

「祭理、全!然!気づいてないし!」

「いやいや、フラれるのわかってんのに!」

「そんなの、わかんないじゃん!
ね?祭理!」

「え……!?
わ、私は……」
里羅達が、注目する。
祭理は、注目を浴び俯いてしまう。

「もうやめろよ」
「祭理、困ってるでしょ?」

風龍が祭理を抱き締め、虎空が里羅達を睨み付けた。

「は?祭理がはっきりしないからでしょ?
龍か虎か清」

「は?」
「里羅には関係ないよね?」

「━━━━関係あるわよ」

「「は?」」

「だって私、清輔のこと好きだもん!」

「え………」
(里羅ちゃん…嘘……)

「里羅…お前……」
祭理と清輔が固まっている。

「あーもー、私はコクるつもりなかったのにぃー(笑)」

「り、里羅ちゃん…私……」

「あ!祭理は気にしないでね!
私の片想いだし!」
微笑み言う、里羅。
しかし、その瞳はとても悲しそうで切ない。

今の今まで、里羅の気持ちに気づけなかった祭理。
風龍と虎空に束縛されている祭理。

なので祭理には、友人が少ない。
そんな祭理を、気遣い仲良くしてくれている里羅。

高校の時いつも他の女子にやっかまれていた祭理を、気遣い庇ってくれたこともあった。
里羅には、とても感謝している。

なのに自分は里羅の恋心にも気づかず、傷つけてしまった。

「里羅ちゃんごめんね…ごめんなさい!
私、何にも知らなくて……いや、気づこうともしなかった……」

「だから、良いって!
私もずっと隠してたし!」

「………」
「………」
雰囲気が悪くなってしまう。

そのシンとした雰囲気を破ったのは、清輔だ。

「祭理ちゃん」

「え?」

「俺は、ずっと祭理ちゃんが好きだった。
でも龍と虎がいつも邪魔して、なかなか言うタイミングが作れなくて……」

「清くん…」

「祭理ちゃんの気持ち、教えてくんない?」


「私は……フウちゃんとクウちゃんの傍にいたいと思ってる」
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