山寺兄弟の深すぎる愛
「…………はぁ…」
「やっぱり、そう来ましたね」

父親と石狩が、ため息をつき顔を見合わせる。

「「は?」」
「え?」

「龍虎はどうするかなって、石狩と話してたんだ。
祭理ちゃんへの“執着”が酷いから“監禁”って言い出しかねないねって」

「我々の思ってた通りでしたね…」

「「だから、何?
祭理は、絶対に渡さない!!」」


「…………祭理ちゃん」

「あ、はい!」

「“これだから”僕は、君に決めて欲しかったんだ。
君のためにね!」

「え?」

「このままじゃ……君は、ずっと龍虎の人形その者でしょ?
本当ならこの先仕事をして、恋をして、結婚して、子どもを生んでって、経験していくであろうことを、龍虎といるせいで経験出来ない。
きっと、大学を卒業したら君はここに軟禁状態になる。
恋、結婚、出産……きっと、一生経験出来ない」

「だから、旦那様は祭理さんに提案したんですよ?」

「おじさん……」

「僕は、祭理ちゃんの“意志”が知りたい。
“思う”ではなく“志”の方ね」

「私はフウちゃんとクウちゃんといれるなら、一生…恋、結婚、出産を経験出来なくて構いません。
軟禁されても、私は二人のために生きていきたいです!!」

真っ直ぐな祭理の思いと視線に、父親と石狩は大きく息を吐いた。

「…………わかった。
好きにしなさい………!」

「親父…」
「父さん…」
「おじさん…」

「その代わり!
監禁・軟禁はしないこと!
できる限り、祭理ちゃんにも自由を与えること。
僕にも、定期的に会いに来て!」

「「わかった!」」
「おじさん、ありがとうございます!!」


父親と石狩が帰り、三人はベッドに横になっていた。
「フウちゃん、クウちゃん。
ごめんね!」

「……ったく…もう、こんな寿命が縮むことすんなよ!!」
「そうだよ!!
僕から離れようとするなんて許さないから!!」

「うん!
もう、放れない!!」

「よし!
じゃあ、キスさせろよ!!」
「そうだね!!」

「え……!?」

「「もちろん!口に!!!」」

「え?え?
━━━━━━んんっ!!?」
風龍が組み敷いてきて、口唇を奪うように重ねてきた。
しばらく貪って、今度は虎空が一度祭理の口唇を拭って重ねてきた。

「なぁ、祭理」

「はぁはぁ…へ?/////」

「また、デートしようぜ!」
「もちろん!個別に、ね!」

「う、うん…/////」

「で!」
「今度は……」


「「…………………祭理を抱かせてね……!」」

両側から、風龍と虎空が微笑んでいた。




これは、ちょっと異常な風龍、虎空、祭理のお話。





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