とどまることをしらないで。




言ってから、後悔するっていうのは、よくあること。



「……っあ、ごめ、今のは忘れて……っ、へ」


「ーーいいの?」



とっても真剣な瞳に、吸い込まれそう。


夜空の下では、律くんのかっこよさが一層際立っているから。




「…い、いよ」



ーーその言葉と、上からの大きな花火の弾ける音が、はじまりの合図。




「……っ、」



ゆっくり顔が近づいて、わたしたちの距離がなくなって。


甘くて優しい感触が降り注ぐ。



ーーわたしたちだけの、幸せなファーストキスだ。




「……しあわせ……」



そう終わったあとに呟くと、律くんはふ、と柔らかく顔を綻ばせて、



「俺も」




ふたりではにかんで、幸せを分かちあう。




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