この恋の化学反応式
「先生!次、あれ食べましょ!」

私は焼きそば屋を指差しながらそう言った。

「お前食べすぎだろ、、。さっきたこ焼き食ってなかったか?」

先生は呆れながらも一緒に焼きそばの屋台に並んでくれる。

「花火始まる前に沢山食べとかないとじゃないですか!」

「食べすぎで腹痛くなって花火見れなくなっても知らないからな」

買ったばかりの焼きそばを食べながら、他愛ない話をしながら歩く。

(ああ、幸せだな) 

なんて思って歩いていた時私はギョッとした。

「せ、先生!あそこ!」

そう、そこには同じ塾の生徒が居たのだ。
いつだったか、橘先生をかっこいいと言っていた女の子たち。

「え、、?」

先生は気づいていないのか周りを見渡す。
見つかったら流石にやばい。そう思った私は先生の手首を掴んで走り始めた。

高3の50メートル走以来1度も走っていない私は、走り出して数秒後には息が上がってしまった。

そんな私に引っ張られながら、走っている間に状況を理解したのか先生は

「いい場所知ってるから連れてってやるよ」

と私の腕を掴み直した。
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