Immoral
大学4年になってすぐに付き合っていた彼と別れた。唐突な別れだった。プロポーズされていた訳ではなかったが、卒業してしばらくしたら結婚するものと思っていた。

彼は4歳歳上の社会人だったし、私が卒業してしばらくしたら結婚しようというような話はしていた。

きっかけは2人で出かけた旅行が親にばれたことだ。その時の話し合いで彼は今はまだ結婚するつもりはないと断言した。でもいつかは、いつかは結婚したいと思っていますという言葉はなかった。

傷ついた。彼の返答は分からなくもなかったが潔いとは思えなかった。次にあった時、激しいセックスの後で曖昧で意味不明に思えるフォローはあった。でもそれ以来なんだか分からなくなってしまった。私はすごく好きだった。彼も私の事を愛してるといつも言っていた。だから余計混乱した。苦しかったけれどいったん距離を置くことにした。

タイミング的にも忙しい時だった。出遅れた就活、進まない卒論。

空前の売り手市場と言われた時代でも四大卒の女子の就職は難しかった。親に対しての意地と世間知らず故にコネにも頼らなかった。

大学ではろくに勉強もせず資格もとるような努力も怠っていたから尚更だ。就職活動は困難な道だった。

毎日午前中と午後、何かしらアポイントを入れた。私だけではなくコネ無しで活動していた周囲の友人はみな同じような状況だった。

付き合っていた彼と離れ、親友が気遣いから誘ってくれた傷心旅行から戻ると本腰を入れ就職活動を始めたがなかなか内定がとれずにいた。はっきりとした希望職種もなくただ大企業ばかりに目を向けていたせいだ。

友人たちもみなそんな様子だった。友人も私もリクルートスーツの着こなしと写真うつり位しかセールスポイントがないといったタイプだった。

そんな日々を送っていた初夏の頃だった。

私は内定は2つほど取っていたがどちらもあまり希望する職種ではなかったのでほかにも内定をとるべく活動を日々続けていた。
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