内緒で三つ子を産んだのに、クールな御曹司の最愛につかまりました【憧れシンデレラシリーズ】
新生活は前途多難

「このたびは、妹さんとの婚約を認めてくださり、ありがとうございます」
「と、とんでもない。こちらこそ、妹を気に入ってくださってありがとうございます。真智をよろしくお願いします」

 土曜日の午後、予定通りに龍一さんが私と姉の自宅を訪れた。

 彼を玄関に迎え入れてすぐ、姉は私の耳元で「あんなにカッコイイなんて聞いてない……!」と興奮気味だったが、ダイニングセットで向き合っている今も頬を赤らめてオドオドしている。

「お姉さんは看護師をされているとか。姉妹揃って勤勉なんですね」
「いえ、そんな……私も真智も、仕事以外に興味がないものですから」
「私も同じなのでわかりますよ。今の自分では、普通の結婚をしたところで家庭と仕事が両立できないのは目に見えている。だからこそ、真智さんを選んだんです。とても仕事熱心な彼女となら、一般的な夫婦愛とは別の信頼関係が築けると思っています」

 姉の前だから耳触りの良い言葉を選んでいるのかもしれないが、龍一さんの言うような信頼関係で結ばれた夫婦になれたら、本当に理想だ。

 気まぐれに熱したり冷めたりする愛情なんて、不確かすぎて信じられないもの。

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