初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「ってなんの話よ! リューったら恥ずかしいからやめてよ。ジルベルト様に迷惑でしょう」

「ちゃんと言っておかないと、太るよ?」

……恥ずかしいったらない! でもリューがこんなに話すのも珍しい。

「姉思いの優しい弟君だね。オフィーリアがのんびりしているのは家族仲が良いからなんだね」

「ロワール伯爵子息の領地を姉様は気に入っているもんね。こういうところに住みたいと言っていたよね?」

 ちょっと! リューってばどうしてこうも口が軽いのよ。

「! そうか。そこまで気に入ってくれたんだね。歓迎するよ」

 ん?

「ロワール子息、それは……その、アレかな?」

「伯爵。近いうちにお話を聞いてくださいますか」

「本人同士が良いのなら良い……よ」

 アレって何! お父様!

「へぇ」

「え、リュー分かったの?」

「姉様以外はみんな分かったと思う。でも僕からは言わない」

「ケチ!」

「オフィーリア、明後日出掛けないか?」

 明後日は学園が休校になっている。

「うん、良いけど」
「迎えに来るよ! じゃあまた。皆さんそれでは失礼します」

 ジルベルト様が颯爽と帰っていった。


 ******

「オフィーリア抜きの家族会議を始めます」

 父上が議長のようだ。

「ロワール伯爵子息との件について反対のものはいるか?」

 ふるふると頭を振った。母上も同様。

「オフィーリアさえ良ければ、婚約まで持って行きたいと思う。家柄、釣り合い問題なし。王太子殿下や公爵子息と知り合いだからハイエナではない。条件が揃い過ぎている。こんな子息はいない。そしてオフィーリアを見ていて確信したぞ! 悪く思ってないよな」

 うん、うん。と頭を上下に振った。母上も同様。

「よし、見守ろう!」

 会議は満場一致で閉幕となった。なんだよこの会議!

 

 

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