初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました

最終回

　朝食を食べてから中庭へと行く。庭師のおじいさんから花を渡されて花びらを取る。

「こうやってフラワーシャワーを作るんだね」

　満開に咲いたバラは散るだけだからそれを利用してフラワーシャワーを用意していた。勿体無いような気するけれど大事な小道具になる。青空バッグにフラワーシャワーは映えそう！

　その後午前中は自由に過ごすことになったので町へ行きお祭りを楽しむ。夕方前に始まるパレードは皆んなで観覧することになった。町はがやがやとしていてみんな楽しそうだ。

「行きたいところある？」
「ジェラート屋さん！　お芋のスティックも食べたいなぁ」
「良いね。行こうか」

「おや。いらっしゃい。ジルベルト様も？　なんだいお嬢さんもしかして……」
「僕の婚約者なんだ」
「オフィーリアです。改めてよろしくお願いします」

　ここで食べたお芋が美味しかったからジルベルト様との縁に繋がったのですよ。とおかみさんに伝えると大変喜んでくれた。きっかけを作ってくれたのは本当だもの。
　あの時サツマイモ芋のジェラートを勧めてくれたから美味しさを知ったのよね。ロワール領はサツマイモスイーツが増えて、花まつりと露天では食のまつりまで開かれていた。これは名物になるわよ～！　お腹いっぱい味わって満足満足。

「さて……と。いっぱい食べたから屋敷までは散策がてら歩いて帰るよ！」
「……はーい」


　リューが余計なことを言うから運動は継続中なんだよね。おまつりで食べるなという事自体が無理だから仕方がない。

「ごめんね。ジルベルト様まで付き合わせて」
「僕は領地にいる時は、あまり馬車を使わないよ。歩いて行ける距離だし、そうでない時は馬を使う時もあるからね」