初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
「良いじゃないか。フローリアはよくやったよ。あんなにオフィーリアが感動しているんだ。ほら感極まって引くほどに泣いてるぞ」

 パレードの最中に大泣きするオフィーリアに領民達は笑っていたけれど、みんな幸せそうだった。フラワーシャワーが舞い青空に映えている。

「きゃぁ。ジルが……オフィーリアに」

「……あのジルベルトがなぁ。見てみろ。満面の笑みのジルベルトと恥ずかしそうなオフィーリア」

 領民の前で口付けをするなんて! 歓声が上がっているわ。盛り上がりは最高潮ね。オフィーリアの家族はどう思っているのかしら。そう思い家族の方を見る。


「あ、あら。夫人は笑顔だけど、伯爵と弟君は固まっているわ」

「そりゃそうだろうな。御愁傷様だな」


 刺激的な1日だったわ。

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