初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
 アンドリューが療養をするとなった時にはオフィーリアと離れて暮らさなくては行けなくなる。そう思っていたのだが、


『姉様も一緒に領地へ来てくれるの?』

『えぇ、行くわよ。リューが居ないと寂しいもの。一緒に領地へ行って健康を取り戻しましょうね。領地は空気もいいし、食べ物も美味しいもの! 本邸のみんなもきっと喜んで迎えてくれるわよ』


 と妙に乗り気だった。オフィーリアがあっさり行く。と言ったのは嬉しかったけれど、何か心境の変化があったのではなかろうか? と勘の鋭いアンドリューは思っていた。いつかその時が来たら聞いてみよう。


 領地でももちろん勉強はしなくてはならなくて教師が付いてくれた。アンドリューは優秀なのでオフィーリアと共に学ぶ。

 オフィーリアは二歳上だから先に学園に行くことになる。その時は僕も一緒に王都へ戻ろうと身体を鍛えている。ある日教師に言われた事についてオフィーリアが変なことを言ってきた。


『Aクラスで下位にいるかBクラスで上位になるかどっちがいいと思う?』

『もう少し努力してAクラスの下でも上にいた方がいいと思うよ』

 と答えた。BクラスよりAクラスの方がいいに決まっているだろう……雲泥の差だぞ……。

 それにもっとまじめに取り組めば絶対解けるのに、途中で考えることを放棄する節がある。

『分かった、頑張る』

 こう言う素直なところはオフィーリアの魅力の一つなんだろう。教師に至っては僕を放っておいてオフィーリアに付き添っている……良いんだけれど、この教師距離がやけに近くないか? この教師は子爵家の三男でまだ若い。父が領地での教師を探していた時に紹介された優秀な男で、将来は植物学者になりたいのだそう。

 三年契約でオフィーリアが学園に入学するまでの付き合いになる。なぜここに来たかと言うと、うちの領地にしかない植物っていうのがあるそうで、授業のない時間は部屋に閉じ籠りそれの研究をずっとしている。

 変わった男だけど、教えるのは上手いと思う。

 そんな領地での生活はゆったりとしていて、二人でピクニックをしたりもしている。

 姉様は周りの目を気にしない。タイツを脱ぎ素足になり川に足を入れ始める……僕も男なんだけど……ってスカート捲りすぎだろ! 恥ずかしくなり露出狂と言ってしまった……

< 17 / 175 >

この作品をシェア

pagetop