初恋は苦い思い出。でも出会うべく人と出会いました
 姉のそんな姿を見て顔を赤らめたのは内緒だ。

 それからさらに半年が経った。僕も程よく筋肉がついてきた。王都の建築ラッシュはまだまだ続いていて埃が気になるが体を鍛える事により、変化があったのは確かだ。ハンカチで鼻や口を押さえていればなんとかなるだろう……


 姉はミルクが好きな様で朝も昼もミルクを飲む。ミルクジェラートは特にお気に入りな様で良く食べている。ミルク効果なのかお互い身長も伸びたし、オフィーリアは体つきも女性らしくなってきた。

「あっ。このブラウスボタンがキツい……」

「お嬢様、またお胸が成長された様ですねー」

 ぶっ。飲んでいたスープを吐きそうになった……食事中に言うなよ……

「あら、また大きくなったの? 成長期って感じね。制服の胸回りもう少しサイズを大きくした方がよさそうね」

 母様まで……

「僕いるんだけど?」

 いい加減無視して話すのをやめてほしい。僕と言う男の目もあるんだけど……

「リューも身長が伸びたわね」

「取ってつけたかの様に褒めていただきありがとうございます」

「えぇー! 本心よ。領地にきて良かったって思っているのよ。あのか弱かったリューがこんなに元気になってどれだけ嬉しいか……」

「もうすぐでリューに身長抜かされちゃうね。ミルクをもっと飲まないと……」

 またその話に戻るの?


「あのさ、姉様は今成長期でしょう? 僕も成長期なんだよね……僕は男だからすぐに姉様の身長を追い越す自信がある。節々が痛いから伸びる前のサインだって先生も言っていたよ」

「お父様も身長が高いからリューもそうなるの? 見上げて話すと首が痛くなるのよね」

 最近節々が痛い。痛くて眠れない事があって先生に聞いたら身長が伸びる前のサインだと聞いた。もっと身体を鍛えようと思った。


 それから次の日母様は王都へと向かう事になった。元々予定されていた事だった。

「お土産買ってきてね」

 二人で見送った。


「ねぇ、先生に聞いたんだけど今日は、花まつりがあるんだって」

「どこで?」

「ステンドグラスのきれいな町あったでしょう?」


 王都から領地へ行く途中に寄った町だ。馬車で半日もかからない筈だ。

「うん、姉様いつか行こうって言ってくれたよね」

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