溺愛社長とお菓子のような甘い恋を


五年後。

「葵―、凪と手を繋いでくれる?」
「はぁい! 凪ちゃんおいで」

私の前を歩く息子の葵が、妹の凪のそばまで行って優しく手を繋いだ。
凪はよちよち歩きながら、小さな手で兄の手を握り返している。

微笑ましい後ろ姿に私も自然と笑みが浮かぶ。

すると、隣にいた海斗さんが私の手を取った。

ドキンと胸が鳴る。こうして手を繋ぐのは久しぶりだ。

「海斗さん?」
「少しくらいいいだろう。いつも子供たちに取られるからな」

海斗さんの微笑みに顔が赤くなる。

「ふふ、そうね」

その大きな手を離さないように握り返した。
繋がれた手には、あの時約束した正式な結婚指輪がはめられている。

「あ、じいじー」

葵の声の先には、会長である義父と義母が照れくさそうに手を振って歩いてきた。

私も笑顔で会釈するが、海斗さんは小さく舌打ちをした。

「お袋はともかく、いまだに親父が子供たちに触れるとイラっとするな」
「ふふ、もういいでしょう。許してあげて」

海斗さんを優しくたしなめる。

会長と海斗さんは一応和解したが、そのわだかまりは完全には解けていないらしい。
似た者同士だから、時間はかかるのかな。
でも、なんだかんだ上手くやっているのだから、素直になれていないだけな気がするけどね。

私は今幸せだ。
こうして海斗さんと子供たちのいる生活。

一度は諦めた未来だった。それが、今当然のようにここにある。それを自覚するたびに、泣きそうになるのだ。

「ずっとずっと、こうしていたい」
「あぁ、ずっとこうしていられるよ」

私の呟きに海斗さんは自信たっぷりに微笑んで、そっとキスをしてくれた。


END



< 35 / 35 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:63

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

君の花嫁
  • コミック掲載中

総文字数/16,573

恋愛(純愛)44ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
それは突然のことだった 「ここに印鑑を」 両親に連れられてきた大きな屋敷で言われた一言 目の前には無表情のまま私を見つめる美形男子。 と、婚姻届!? どういうこと? 私、綾川真琴17歳。 初対面の人と、本日…… 結婚します!!? H.23.7.1~23.12.31 ****** 気軽に感想下さい(*^^*) 手直し終わりました。 おまけページ追加しています ********************* R2.3月「俺の花嫁」にタイトルを変え、野いちごのピンクレーベルから書籍化! こちらは改稿前の作品です。加筆、修正はしておらず、誤字、脱字、変更点等もあります。 ご了承ください。 *********************
気がつけば愛でした
  • 書籍化作品

総文字数/136,779

恋愛(オフィスラブ)348ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
*私の苦手なタイプ* ·冷たい ·偉そう ·意地悪 ·俺様 ·イケメン ·高身長 ·仕事の出来る人 つまり =我が社の営業課エースの高柳 律(たかやなぎ りつ)28歳 アイツは私の天敵。 なるべく関わらないようにしていたのに…。 なのに。 なのになぜ…目が覚めたら、アイツのベッドで寝ているのだろう!? H24.6.12~H.25.4.22 5/6 総合ランキング2位獲得。 ありがとうございます☆ 皆様のおかげで書籍化が決定しました。ありがとうございました。 こちらは改稿前の作品です。加筆、修正はしておらず、誤字、脱字、変更点等もあります。 ご了承下さい。
愛されざかり~イジワル御曹司の目覚める独占欲~
  • 書籍化作品
  • コミック掲載中
[原題]恋する診察

総文字数/101,031

恋愛(その他)262ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
朝比奈里桜(28) 下着メーカー企画部で働く社畜。    × 藤堂真紀(34) 藤堂クリニック、小児科医。来るもの拒まずの女たらし。 残業続きで眩暈を起こした里桜を助けたのは、マンションの一階に入っているクリニックのイケメン医師、藤堂。 しかも、部屋が隣だった。 なにかと憎まれ口をきく二人だったが、医師としての優しい姿にときめきを覚える。 しかも、キスをされ――…… H.30.3.24~ 書籍化、決定! こちらは改稿前の作品です。加筆、修正はしておらず、誤字、脱字、変更点もあります。 ご了承ください。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop