Good day ! 3
また2週間後、ドキドキしながらクリニックに行くと、先生はエコーのモニターを恵真に見せながら明るく話す。

「とっても順調よ。ほら、随分しっかり成長してるでしょう?」
「わあ、可愛い!」

二つの胎嚢、それぞれの中で、頭と体の区別がはっきりしてきた小さな赤ちゃんが映っている。

双子が珍しいのか、看護師達も代わる代わるモニターを見に来ては、可愛いーと声を上げていた。

「ご主人にも早く見せてあげましょうか。隣の部屋で、首を長くして待ってらっしゃるでしょうから」
「はい」

どうやら大和は既に、メロメロパパの認定をされているらしい。

恵真は苦笑しながら、隣の部屋に戻る。

「うわっ、こんなに可愛くなってる!なんていい子達なんだ」

案の定、大和はエコー写真を見た途端に、目尻を下げてデレデレし始めた。

「それじゃあ、名残惜しいけど今日でこのクリニックは卒業です。次回は紹介状を持って、転院先の病院に行ってくださいね。それと、区役所で母子手帳ももらってきてください。もちろん、二冊ね」

母子手帳!と、恵真はいよいよ気分が高まる。

「恵真、これからすぐもらいに行こう!」
「ちょ、ちょっと大和さん…」

恥ずかしさに恵真が赤くなっていると、先生は声を上げて笑う。

「うふふ、本当にいいパパさんね。この先を見届けられなくて寂しいけど、ご無事な出産を心からお祈り致します。佐倉さん、どうかお元気でね」
「はい、ありがとうございました!お世話になりました」

早くも涙が込み上げてしまい、慌てて恵真は目元を拭った。
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