Good day ! 3【書籍化】
「もうね、恵真ちゃんが結婚してくれただけでも嬉しかったのに、式も挙げてくれるなんて!あー、恵真ちゃんのウェディングドレス姿が楽しみだわ。うちは息子一人だから、恵真ちゃんみたいな素敵なお嫁さんが来てくれて、本当に嬉しくて!」
「おふくろ、何回同じ事言ってるの?」
大和が、呆れ気味に口を挟む。
「あら、何回でもいいでしょ?あー、6月6日が楽しみだわ。もう遠足待ってる子どもの気持ちが良く分かる」
遠足って…と、大和は眉を寄せる。
「恵真ちゃん、ドレスはもう選んだの?」
「はい。大和さんと先日試着して来ました」
「そうなのね!どんなドレス?あ、ううん。やっぱり当日のお楽しみにしておくわ」
舞い上がったり、冷静になったり、大和の母は落ち着かない様子でワクワク、ソワソワしている。
運ばれて来た料理を味わいながら、ふと大和の父が思い出したように話し出した。
「そう言えば、この間大和と恵真ちゃん、一緒に飛んだんだってね」
「そうそう!どうして教えてくれなかったのよー。会社のSNS見てびっくりしたのよ。知ってたら、私も乗りたかったのに」
いや…と、大和はまたしても苦笑いする。
「おふくろ、あれはハネムーンフライトだ。新婚旅行のカップル向けに企画されたフライト」
「ええー?じゃあ今度はフルムーンフライトに乗せてよ。あ!藤崎さんご夫婦もご一緒に乗りません?」
「まあ!いいですね。素敵だわー。フルムーンフライトなんて」
いやいや、そんなのないから、と恵真も小さく母親を止める。
「そうなの?じゃあ、何フライトでもいいから、今度あなた達が一緒に飛ぶ時は教えて頂戴ね」
あ…と恵真は視線を逸らす。
「ん?どうかしたの、恵真」
恵真は隣の大和を見上げる。
大和は落ち着いた表情で頷いてみせた。
恵真も頷いて、皆に向き直る。
「あの、実は私、今、乗務停止中で…」
「ええ?あなた、何かやっちゃったの?」
「いえ、あの。そういう訳では…。ただ、航空身体検査の基準で飛べなくなって」
「え?どこか具合が悪いの?」
心配そうな母親に首を振り、恵真はひと呼吸置いてから皆に告げる。
「実は私、妊娠しています」
え…と、小さな呟きのあと、ええーー?!と四人の大きな声が響き渡る。
「おふくろ、何回同じ事言ってるの?」
大和が、呆れ気味に口を挟む。
「あら、何回でもいいでしょ?あー、6月6日が楽しみだわ。もう遠足待ってる子どもの気持ちが良く分かる」
遠足って…と、大和は眉を寄せる。
「恵真ちゃん、ドレスはもう選んだの?」
「はい。大和さんと先日試着して来ました」
「そうなのね!どんなドレス?あ、ううん。やっぱり当日のお楽しみにしておくわ」
舞い上がったり、冷静になったり、大和の母は落ち着かない様子でワクワク、ソワソワしている。
運ばれて来た料理を味わいながら、ふと大和の父が思い出したように話し出した。
「そう言えば、この間大和と恵真ちゃん、一緒に飛んだんだってね」
「そうそう!どうして教えてくれなかったのよー。会社のSNS見てびっくりしたのよ。知ってたら、私も乗りたかったのに」
いや…と、大和はまたしても苦笑いする。
「おふくろ、あれはハネムーンフライトだ。新婚旅行のカップル向けに企画されたフライト」
「ええー?じゃあ今度はフルムーンフライトに乗せてよ。あ!藤崎さんご夫婦もご一緒に乗りません?」
「まあ!いいですね。素敵だわー。フルムーンフライトなんて」
いやいや、そんなのないから、と恵真も小さく母親を止める。
「そうなの?じゃあ、何フライトでもいいから、今度あなた達が一緒に飛ぶ時は教えて頂戴ね」
あ…と恵真は視線を逸らす。
「ん?どうかしたの、恵真」
恵真は隣の大和を見上げる。
大和は落ち着いた表情で頷いてみせた。
恵真も頷いて、皆に向き直る。
「あの、実は私、今、乗務停止中で…」
「ええ?あなた、何かやっちゃったの?」
「いえ、あの。そういう訳では…。ただ、航空身体検査の基準で飛べなくなって」
「え?どこか具合が悪いの?」
心配そうな母親に首を振り、恵真はひと呼吸置いてから皆に告げる。
「実は私、妊娠しています」
え…と、小さな呟きのあと、ええーー?!と四人の大きな声が響き渡る。