例えばその夕焼けがどれだけ綺麗だとしても



「それは、秋元家の時からってこと……?」



「恐らくな。だから、今回の退陣は梟王にとって願ったり叶ったりだった筈だ。」


それにーと石垣が続けた。


「調べさせた所によると、秋元の連中は相当なワンマンだったらしく、内部の反発は大きかったようだ。ま、当然といえば当然だな。」


手に持っている万両をクルクルと回しつつ、石垣が呆れたような溜め息を吐く。


確かに、部下に対して高圧的な態度を取る秋元一族の姿が、沙耶の目にも容易に浮かぶ。



「でも、、、なんかあの人たちなら、とっくにストライキだのなんだの起こして見切りつけそうだけど……」



今しがた会ってきたばかりの3人は、梟王の精鋭だろう。沙耶が首を傾げると、石垣も頷く。


「そうなんだよ。天下の石垣にすら、靡(なび)かない奴らが、どうして今迄ーー運営は下に任せっぱなし、無理難題しか押し付けない上に思いつきで社員を引っ掻き回すという、お世辞にも経営が上手かったとは言えない秋元の下でやってきていたのか。それは俺も不思議だ。」

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