夏祭りの約束
「ごめん。行けないな。」
 せっかく誘ってくれた立夏には申し訳無いが私には夏祭りに行きたくない理由があるのだ。
「そっか。残念。なにか用事あるの?」
「うん。ちょっとね。」
 本当は用事なんてないから少し申し訳なく思った。
「へー。音、それ嘘でしょ?」
「え、なんで分かったの。」
「え、本当に嘘だったの?」と驚いた顔をして、
「冗談で聞いてみただけなんだけど。じゃあ本当の行けない理由は?」と聞いてきた。
 一瞬迷ったが話してみようと思った。
「えっと、少し長くなるかもだけど大丈夫?」
「大丈夫だよ!じゃあ、あそこの公園にいこ!」
 あそこなら人が少なさそうで、ベンチもあるよ、とちょうど近くにあった公園を指さしていた。
立夏と一緒に公園のベンチに座って私は話し始めた。
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