海底に沈む世界を救う為に異種間恋愛します

父親として

オーシャンバトル前日深海にて。

深海7天の屋敷の中の1つの部屋に、男は静かに椅子に座り本を読んでいた。

ガチャ

男の読書を遮るかのように、男の部屋の扉が開いた。

「おや珍しい人が来たものだ…何かようですか?リヴィアタン」
「ラキエル、お前に頼まれたのを持ってきたまでだ」
「流石、貴方の計画にはこれは必要不可欠だ…なんせ、あのメガロドンも巻き込む計画なのだから」
「その計画が成功するなら、俺は自分の目をも悪魔に差し出す」
「……本当に契約したんですね……肉体がその場になくても、魂さえあればできる契約……魂の契約」
「俺はホタルが愛したこの海を救うなら何だってやるさ」

ラキエルはリヴィアタンに渡された紙を受け取り、机に広げて確認をした。

「確認しました…これは紛れもなく本物…」
「アトランティスでも神官クラスの戦士でもごく一部しか知らされていない、アトランティスの真の姿」
「俺も半信半疑だったが、昨日ソイツをみて確信した」
「…いやぁ…しかし、いいのですか?あなたにとって好敵手でもあり、友人でもあるメガロドンに、亡くなった筈の番のことを話しても」
「賭けだ、話して駄目なら力づくでも」
「いやはや…恐ろしい事を」

ラキエルは苦笑いをしながらも、紅茶を1口飲む

「そー言えばお聞きになりましたか?」
「何を?」
「明日の対戦相手…貴方と弟子のでもあり、双璧の戦士セラらしいですよ?」
「……」
「弟子と会うのは何年ぶりなんですか?」
「分からん、数えてもいない」
「唯一の弟子に対して素っ気ない…弟子が泣きますよ?」
「……」
「あ、そうそう…もう1つ面白い情報が」

ラキエルは少し面白そうに話し始めた。

「今回のオーシャンバトルに参加している陸の人間の中に、海の生き物を研究している者が居るらしい…」
「!?」

ラキエルの言葉にリヴィアタンは少しだけ反応をした。

「…そいつの名は?」
「名前までは分からないですが、結構面白い人間らしくアトランティスでは有名みたいですよ?なんせ、スケッチブックとペンを持って、名も知らない小さな生き物でさえ調べるらしく」
「……まさかな」
「おや?思い当たる人物でも?」

リヴィアタンは、その海の生き物を研究する者に思い当たる人物が1人居たが、確信する事が出来なかった。
しかし、ラキエルがくれた情報は少しだけリヴィアタンを少しだけ和ませた。
だが、それも一瞬の事で、明日から始まるオーシャンバトルに向けて、リヴィアタンの表情が険しくなった。
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