海底に沈む世界を救う為に異種間恋愛します

両親

「おがぁあさん!うわぁぁ」
「アオ…」
「おがぁあざぁぁん!」

10歳の時、母さんが亡くなった。
幼かった私は医者の言葉を理解することはできなくて、大きくなってから母さんは癌で亡くなったのが分かった。
母さんが亡くなっても、父さんは来なかった。
いや、父さんは先に亡くなっていた。

それからの私は荒れていた。

「おい!チビ!!お前、親がいないってな!!」
「やーい!!やーい!!親無し子!!」
「っ!」

ドス!!

幼い私の拳は虐めっ子の顔にめり込んだ。

「なっ!?」
「うるさい…うるさい…うるさい…うるさい!!」

倒れた虐めっ子に跨り、顔を拳で殴り続けた。

「お前なんかに…お前なんかに!私の気持ちがわかるかぁ!!!!」

大人の様な力はなくても、虐めっ子からしたら恐怖した。
虐めっ子と喧嘩しては呼び出され、おばさんが頭を下げるの繰り返し。
そして私か大人になるまで、おばさん以外は周りには人がいなかった。

そんなある日のこと、母さんの遺物が置いてある部屋にこっそり入ったら、母さんの研究の手帳を見つけた。
難しい言葉が沢山あり、理解するのに時間がかかったが、母さんが調べた海洋生物学にのめり込んでいった。

「…海洋生物学者…これになったら、周りの奴らを見返せる」

私は必死に勉強して、母さんやおばさんが通った大学に入り、海洋生物の博士号をとった。
世界の海を周り、まだ見ぬ生物を見つけては研究し、世に発表していった。
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