海底に沈む世界を救う為に異種間恋愛します
「博士になって5年かぁ…早いな」
「どうしたアオ?手帳を大事にもって」
「いや、なんでもない」
「そうか…」

エンヴィーとの一戦から翌日。
昨夜アオを治してから、エンヴィーによって半壊されたアオの住処を何も無かったように魔法で直した。

「すごっ…魔法で建物も直せるんだ」
「直すのは今回だけだ…魔法は本来、陸の物や人には使ってはいけない。昨夜のエンヴィーはオーシャンバトルのルールに違反してる。それのおかげで、特別に使ってるんだ」
「ルール…ルールがあるの?」

オーシャンバトルのルール
1.番以外の陸の人を傷つけてはならない
2.番以外の陸の人間の生活に影響与えるようなことはしてはいけない。
3.戦闘は海

「エンヴィーは番になる前のお前を傷つけてる上に戦闘を陸で仕掛けた」
「じゃ、ルール違反したエンヴィーは?」
「ペナルティが加算される。参加者全員ペナルティは4回までだ。4回以上すると番を強制解除されロストされる」
「一応ペナルティがあるんだ…しかし、大変だなー…。魔法も使うのもルールがあるなんて」

アオは散らばっていた資料や本を、手際よく片付けていく。

「仕方ないことだ、俺達が陸で激しく魔法使えば、魔法を知らない陸の人間からしたら物珍しいだろ?そこから、色々とカオスが生まれ陸と海の均衡が保てなくなるからな。…そこでだアオ、今後の事も考えてお前には俺の番として一緒に海…オーシャンに来てもらいたいんだが来てくれるか?」
「…………」

アオは作業してる手を止めた。

「アオ?」
「あーあ…昨日から色々あってさ、私は死にかけたりしてさ…散々だったし、多分こんなことがまた私の家で起きたらたまったもんじゃないなぁ…」

アオは本を片付けて振り向き、少しずつ俺に近づく。
そしてアオは俺を真っ直ぐ見つめ、あの可愛いらしい笑顔を見せた。

「だから、私もセラと一緒に行くよ」
「俺と一緒に行くことは、一生オーシャンから陸に帰って来られなくなる可能性もある。それでも…」
「あーあー細かいことは気にするなって」
「……」
「どーせ、アンタとの番契約は私が死なない限り解除は無理なんだろ?それに私は今すげー胸が踊ってるんだ!海に行けば、セラみたいな人間に会えるし、もしかしたら新種の魚にも出会えるかも」
「アオ…」

アオは俺が思っていたのとは真反対で、子どものようなキラキラした瞳で答えた。
学者の好奇心がアオの胸を昂らせているみたいだ。
それもそうだ、今から行く所は普通じゃ行けない場所だ。

「海の国に行けるのかー楽しみだー!えっと、何持って行こうか悩むなー!あっ、セラ!」
「なんだ?」
「オーシャンに行くの2日後でもいい?」
「急いではいないからな別に構わない。しかしなぜ2日後?」
「帰って来られないかもしれないなら、行く前に会いたい人がいる」
「会いたい人??オスか?」
「いや、オスじゃない。大切な人!!ほら!今から行くから早く!」

アオは素早く荷物をまとめはじめた。
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