小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「可愛いわね、赤くなっちゃって……これじゃあ、原田先生もメロメロ、夜も大変なわけだね」

「やめてください、私達そんなんじゃないですから……」

「そんなんじゃないって何よ」

「だから……まだそんなんじゃありません」

 文恵さんが立ち止まり戻ってきた。

「……は?それどういう意味?まさか、まだそういう関係じゃないの?」

 私の耳元で囁いた。私は小さくうなずいた。

「……えー!?だって、同棲してからもう一ヶ月近くになるよね?どういうこと?両思いなんでしょ?」

「……それは……わかりません」

「何それ?少なくとも美鈴ちゃんは先生が好きだって言ってたよね。告白してないの?」

「……先生はわかっていると思います」
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