小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

「え?」

「君のウエディングドレス姿を子供達に見せてやりたい。そして俺のタキシード姿も見せる。子供達はきっと夢を持てるようになる。どうだろう?」

「とてもいいわ。でもそんなスペースあるかしら?」

「そうだな、隣の倉庫もかたづけてスペースを広げてもらうつもりだ。住田病院のほうが広いからそれもいいんだが、君との付き合いが長い子供は宝田小児医療病院のほうが大勢いる。それに、あの子達がキューピッドだと教えてやりたい」

「弘樹さん……なんて素敵なの。ああ、もう、大好き」

 私は裸だということも忘れて、彼の方を向いて飛びついた。

「……美鈴。大胆だな。まだ、足りないのか?」

「もう、そうじゃないの!あなたのその気持ちは子供達へきっと伝わるわ。私その日に向けてみんなに美味しいカップケーキを作って、それを配るわ。そうだ、文恵さんも呼んでいい?」

「ああ、もちろんだ」
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