小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 文恵さん、きっと喜んでくれるだろう。子供達も会いたがっているし、是非来てもらおう。

「宝田小児医療病院のあとに、住田病院にも行きましょう。あそこの子供達にも会いたいわ。住田先生の息子さんと結婚したんだもの」

「そうだな。夕方以降はあっちに行くか……親族と病院や図書館関係者の披露宴は夜がいいかもしれない」

「そうしましょうよ!ああ楽しみ」

「実はそのつもりですでに根回し済みだ。さすがに急すぎるとシフトの対応がきかない。宝田先生にはお願いしてある。君から断られたら大変だったよ」

「……もうっ!」

「それから、美鈴。俺はいずれ移植の出来る専門医を目指すつもりでいるんだ」

 弘樹さん……それって……。

「まあ、勉強や研修など色々あるかもしれないが頑張るから協力してほしい。資格が取れたらいずれ独立するかもしれない。その時は父が手伝うと言ってくれている。あと檜山も……宝田病院はいずれ絵美が許嫁の医者と結婚して継いでいくのが決まっているんだ」
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