小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「とても魅力的なおうちですけど、さっきのお話を聞かせて下さい」

 「ちょっと座って……」

 ダイニングには、小さなテーブルを挟んだ向かい合わせの椅子がある。

 「コーヒーでいい?」

 「あ、はい。手伝いますよ」

 「そう?というか、これから君も飲むだろうからどこに何があるか覗いて見てもいいかも……」

 「……まだ、お世話になるかわかりませんよ」

 「まあまあ、とりあえず見ておいて」

 そう言って、ストックや冷蔵庫、調味料、調理器具の説明を受ける。思ったよりは中に入っているんでびっくり。自炊してるのかしら?

 「実はたまに買い物をして入れっぱなしにしているものも多いから賞味期限見ないと食べられるかはわからない。冷凍室にたくさん入っているのは疲れて帰ってきたときチンして食べられるものがあれば助かるからね」

 「なるほど」

 「ということは、自炊が多いんですか?」
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