小児科医は癒やしの司書に愛を囁く

 「うーん。料理自体は嫌いじゃないんだけどさ、疲れてるとなかなかね。買ってくることがほとんどかな。ここに住んでくれるなら料理はお願いしたいかも……」

 「私は自炊しているので、二人分作るのもあんまり変わりません。ただ、私の作ったものが先生の口に合うかわかりませんけど」

 「まあ、それに関しては心配ないよ。俺は好き嫌いないし、美鈴ちゃんは料理上手そうだしね」

 「……うーん。上手というのとは違いますけど」

 「気張らずにお願いするよ。それに君だって働いているんだし、忙しい時は何もしなくていいから」

 「はい。だとしても少しはお金を……」

 「お金の代わりにして欲しいことがある。それをこれから話す」

 「?」

 コーヒーを運ぶとふたりで向かい合って座った。

 「できれば僕と同棲して欲しい」

 「は?」
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