会ったことのない元旦那様。「離縁する。新しい妻を連れて帰るまでに屋敷から出て行け」と言われましても、私達はすでに離縁済みですよ。それに、出て行くのはあなたの方です。
 自分では最高にやわらかい笑みを浮かべ、ジョニーにお願いをした。

 わたしの隣とその対面に座っているクレアとシンシアは、わたしに同意してうんうんと頷いている。

「太ったことを認めた方が、気分的にラクになるのではありませんかな?」

 そのとき、わたしの対面に座っている執事のユリシーズがつぶやいた。

「ユリシーズ」

 彼にもやわらかい笑みを浮かべてみせる。

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