見知らぬ彼に囚われて 〜彼女は悪魔の手に堕ちる〜
「あの……よければ次から、私たちも人形劇の手伝いをさせて頂けませんか?」

「何回か見せてもらっていたが、子供らにだってこんな娯楽があっても悪くないはずだ」

「うちのお爺さんも口だけは達者なの。良かったら私も一緒にぜひ……」

 聞いたレオナと彼は顔を見合わせ、そして微笑み合った。

「それはありがたい。人数が増えればもう少し大きな、見ごたえのあるものも出来るかもしれません」

 彼の声は弾む。
 レオナも心から彼らの気持ちに感謝した。

「ありがとうございます!!私たちの仕事もあって、かなり不定期になってしまうのですが……。身分も関係なく子供たちに喜んでもらえるものを、どうか一緒に」

 二人は来てくれた彼らと次の約束をし、自分たちの家に戻った。


「今日も劇は成功したよ、みな喜んでくれたね。ありがとう、君のおかげだ」

 彼は満面の笑みでレオナを見つめる。

「ありがとう。貴方が演じている姿は本当に輝いているわ。どんな姿でも貴方は変わらない、優しいところが好きよ。私、貴方と一緒に今を生きていられることが一番幸せ。愛してる」

「ああレオナ、私も幸せだ。そして君を愛しているよ」

 静かに寄り添い、これからの未来に期待で心をふくらませて二人は夜を迎えた……


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