極悪人の抱き枕になりました。
☆☆☆
伊吹が帰ってきたのは昼を過ぎた頃だった。
遅い朝食を食べた夏波はとくにすることもなくテレビを見ていたところだった。
突然開いた玄関ドアに驚いて近づいていくと、そこには伊吹が立っていた。
昨日と同じスーツ姿だけれど服も髪もボロボロに汚れている。
顔にはあちこちに血がついていた。
「ちょっと、大丈夫!?」
駆け寄ると伊吹が「あぁ……」とだけ返事をした。
体はふらついているし、明らかに重症だ。
「き、救急車」
慌てる夏波の腕を息吹きが掴む。
「そんなものは必要ない。なにか食べ物をくれ」
「わ、わかった!」
そう答えてキッチンへ向かうものの、冷蔵庫の中にはほとんどなにもないことがわかっている。
夏波は戸棚を開けてパスタ麺を取り出した。
なぜかパスタ麺だけが大量に買い置きされているのは、簡単に作ることができるからだろう。
それからレトルトのルーを取り出し、鍋に水を入れて火をかける。
伊吹が帰ってきたのは昼を過ぎた頃だった。
遅い朝食を食べた夏波はとくにすることもなくテレビを見ていたところだった。
突然開いた玄関ドアに驚いて近づいていくと、そこには伊吹が立っていた。
昨日と同じスーツ姿だけれど服も髪もボロボロに汚れている。
顔にはあちこちに血がついていた。
「ちょっと、大丈夫!?」
駆け寄ると伊吹が「あぁ……」とだけ返事をした。
体はふらついているし、明らかに重症だ。
「き、救急車」
慌てる夏波の腕を息吹きが掴む。
「そんなものは必要ない。なにか食べ物をくれ」
「わ、わかった!」
そう答えてキッチンへ向かうものの、冷蔵庫の中にはほとんどなにもないことがわかっている。
夏波は戸棚を開けてパスタ麺を取り出した。
なぜかパスタ麺だけが大量に買い置きされているのは、簡単に作ることができるからだろう。
それからレトルトのルーを取り出し、鍋に水を入れて火をかける。