いつも側にいてくれたね
翌朝、窓を開けると外は雲一つない青空が広がっていた。
昨日の夜、遥生の文化祭に何を着て行こうか悩んで、髪も可愛く結びたいなって思って。
色々考えていたら眠りにつく時間が遅くなってしまい、まだ少し眠い。
開けた部屋の窓から新しい風が入ってくると「うーん」と伸びをして目を覚ました。
出掛ける準備ができるといつものように私が直生を迎えに行く。
「直生、おはよう!」
直生の家の玄関を開けながら挨拶をする。
「おはよう、夏芽。今行くからちょっと待ってて」
直生の準備が遅いのはいつものこと。
私は直生の家のリビングにお邪魔して直生の支度が終わるのを待った。
ふと見るとリビングのテーブルに学校へ提出する用紙が無造作に置いてある。
提出期限は昨日と書いてある用紙。
あれ? 私、こんな紙もらったかな。
その用紙が何についてのものなのか読もうと思って手を伸ばした時、直生がリビングに入って来た。
「夏芽、お待たせ。いつも遅くてごめんね」
「準備できた? じゃ、行こう。あ、そうだ、この提出物ってなんだっけ? 私もまだ提出してないんだけど」
「ああ、それ遥生のやつだよ。遥生、提出してないのか」
なんだ、遥生の学校の書類なら良かった。
提出忘れて来週先生に怒られるかと思って不安になったよ。