いつも側にいてくれたね
私を呼び込んだ子はとても手際よく髪型を作りメイクまでしてくれて、あっという間に私を中世のお姫様にしてくれた。
「うわー! やばい、あなた超かわいい。ね、鏡見て」
そう言って手鏡を渡してくれた。
「わ、これが私? 凄い」
鏡に映る私は自分で言うのもなんだけど、とても可愛く仕上げてもらっていた。
撮影場所に移動する時、私はメイクをしてくれたこの子に、
「あの、遥生は撮影場所にいますか?」
「え、遥生? ああ、湯川くん?」
「そ、そうです。湯川くん」
そっか、遥生は学校では湯川くんって呼ばれているんだ。
遥生のことを一つ知れて嬉しい。
「あなたも湯川くん狙いなの? 彼、かっこいいもんね」
「えっと、別に狙っているとかではないんだけど・・・」
遥生はやっぱりモテるんだね。
「湯川くんね、お客さんの呼び込みで門の所に行ってもらってるの。湯川くんは目を引くからこのクラスの広告塔なんだよ」
あれ、遥生は外に行ってるんだ。
すれ違っちゃったのか。
「もしあなたが少し協力してくれたら湯川くんに戻ってきてもらってもいいよ」
「協力って、どんな?」
「撮影場所に座っていてくれるだけでいいの。もしあなたと一緒に写真を撮って欲しいってお客さんがいたら協力してもらえないかな」
「え、私が? 無理だよ。そんなお客さんいないって。それに恥ずかしい」
「恥ずかしかったらこの仮面をつけくれていいから。お願いします!」
女の子は眼鏡に羽根がデコレートしてあるアイマスクを渡してくれた。
このアイマスク付けていいなら誰でも一緒のような気がするけど。
「分かりました。遥生、いや、湯川くんが戻って来るまでの時間なら協力しますね」
「わあ、ありがとう。じゃ早速先に撮影しちゃおうか。ここに座ってみて」
その子が撮影場所に案内してくれて、数枚写真を撮ってくれた。
出来上がりがたのしみだな。
可愛く撮れてたら直生と遥生に自慢しよう。
そんなことを呑気に考えていると、ここのクラスの女の子たち数人が騒ぎながら撮影室になっている教室に入って来た。