奇跡をくれた君へ



メモを取り出して、状況を書き出してみる。


木島くんとのメールのやりとりを開始

数ヶ月経って、本人からのメールじゃないことが判明(でも見た目はそっくり)

ユーザーアドレスを検索するも、情報なし


整理して、考えれば考えるほど謎だ。本当に木島和哉という人物がいるのかさえ怪しい。いや、いるにはいるのだけれどメールをやり取りしていた彼ではなくて。


「やっぱり、連絡してみるしかないんじゃない?」


私も咲と同じ考えだった。結局はこうなるしかないみたいだ。


――あなたは誰ですか


考えて送った結果、メールのやりとりがはじまった時のような、文面になってしまい、少しおかしくて笑った。最後の送信になるかも知れないのに、それが初めと同じだなんて。

それを見た咲は私がおかしくなったと思ったようで、どう宥めようかと慌てていた。それもなんだかおかしくなって、しばらく笑ってしまったのだった。

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