それはズルいよ雨宮くん

第一話 初めまして雨宮くん

あ、また来た。
カウンター前までやってきたこのイケメン。

「タオル」

この時間になるといつもイケメンDK(男子高校生)の雨宮という男が来る。
タオル1枚貸せってことだろ?
いい加減「貸して下さい」くらい言えよ。
てか言ってくれそろそろ(願望)

「雨宮くんそろそろ敬語くらい使ってねぇ…、毎度〜」

………。
……うん、あれ、全然カウンターから離れない。
どした?俺が注意なんかするから怒ってんのか?
いやいや、俺正しいことしか言ってないからね?!

「どうしたの雨宮くん」

「な、なんで俺の苗字知ってんの…?まさかお前“も”ストーカー……??」

「え……?」

あー、なるほど俺を不審者またはストーカーとみなしているのか。

「いや、君初めて来たとき学生応援キャンペーンで学生証見せてくれたじゃん。」

「…………。(そうだったの顔)」

こいつ顔に出過ぎだろ。
どんだけポーカーフェイス下手くそなんだ。

「はい、タオル。」

「ありがと。」

お礼は言えるんだな。
でも相変わらず目付き悪いし口数少ないし無愛想だし、こんなんで友達いるのか心配になるわ。

「なぁ、今日バイト何時まで」

「は…、ん?…うぇっ!?」

急に話しかけられたせいで変な声出ちゃったじゃねえか。

「は、20時だよ……」

「ふぅん、そ。」

「へ?」

どういう意味だろうか。
自分から聞いといて素っ気なくないですか?

今まで老若男女の客と話してきたけど、
コイツだけは嫌いなんだよなぁ。

「さて、そろそろ俺は男湯の前掃除しねぇと。」
< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop