拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。

突然の婚約破棄

 リュシエンヌ・モルヴァン悪いが君との婚約は破棄する」

 王宮に呼び出されたかと思うと、婚約者のアルバート・レフィ・コリンズ伯爵令息に急に告げられました。立会人にはアルバート様の友人で第二王子殿下がいました。


「……理由をお聞かせいただいても宜しいでしょうか?」

「ふん。普通は婚約破棄と言われると、どこか自分に悪いところがあったんじゃないかと泣き崩れるもんだろうが、そういう生意気なところだ。そういう態度が気に入らない!」

 婚約破棄の理由は生意気だから? という事です。性格の問題ですわよね。
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