拝啓、元婚約者様。婚約破棄をしてくれてありがとうございました。

王妃様のティーパーティ


 ティーパーティーのお誘いがありお母様が招待されたようです。それはなんと王妃様のお茶会でした。王妃様は学園時代にお母様の先輩にあたる方だったらしく、お話はした事があるけれど親しい。という間柄ではないそうです。

 王妃様のティーパーティーは三十人ほど招待されていて招待客が学生時代の顔見知りと言ったメンバーだそうで、たまには懐かしい顔ぶれとお茶をしたい、同窓会のようなもの。らしいのです。


「こんな催し初めてだわ。楽しそうだけど、急だから何かあったのかと疑ってしまうわ」

 お母様は出席することになりましたし、学生時代の友人と会えるのも楽しみだそうです。女性だけの会なので話に花が咲くこと間違いなしですのに、お母様は首を傾げていました。

「いってらっしゃいませ」

 お父様は朝早くからどこかにお出かけになりました。最近は忙しそうでお疲れの様子です。エリック殿下との事もありお父様もお母様も頭を悩ませています。エリック殿下との婚約話は一部の人しか知らないから学園では今まで通りでいいと言われ挨拶をしたり、少しお話をするくらいですので婚約の話は無かったことになるんじゃないかしら? と思っていました。

 
 
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