モブA子と王子様の友達


や、やっと止まった。


「ごめんね、急に走り出して。」


「はぁ、だ、大丈夫です。はぁ。」


「はぁ、ごめん2人共、はぁ。」


一条くんも息切れてる。
 

パンダくんだけ余裕そう。


「パンダくん、足速いんだね。」


「こいつ中高陸上部なんだよ。逃げ足とかめっちゃ速い。」
 

「一条素直に褒められないの???」


「映画の時間大丈夫?」
 

「おーい?聞いてるー?」


ふふっ、2人って本当に仲良いなぁ。


待ち合わせしたばかりなのにもう色んな顔が見れてる。


映画館に着いた。


ちょっと混んでます。


「混んでるなぁ。、、モブちゃん、嫌じゃなかったらなんだけど、、。」


「なぁに?」


「はぐれないように手、繋いで良い?」


パンダくんはちょっと恥ずかしそうに手を差し出した。


「っ!、、、。」


恥ずかしい、けど、チビな私がはぐれないように考えてくれているのであって!!!


「嫌じゃ、ないよ。さっき走った時も手を取ってくれてたし、、。」


そっとパンダくんの手に手を重ねる。


「あ、ありがとう。、、モブちゃん手、小さいね。こんなに違う。」


手のひらを合わせる。
 

わかってたけど手、大きいな。


2人の間に甘い空気が流れる。


「ちょっと。なにイチャついてるの。」


「「べっ別に?!」」


一条くんが呆れたように見ていた。


は、恥ずかしい、、。


「あー、、えっと、もしはぐれたら一条を目印に集まろうね。」


「おい。」


「了解です。」


「おい!」



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