ハイドアンドシーク
その嫌味にも聞こえる言い方にびっくりする。
え、東雲さんってこんな感じだっけ。
数年ぶりの再会は思っていたよりもずっと、さらりとしていた。
それどころかギクシャクとした空気を感じ取りながらも、わたしは言葉を返す。
「もちろん、ここが男子校だってことは承知の上で編入しましたよ」
「俺を追ってきたわけじゃないんだよな?」
「じ、自意識過剰……そんなわけないじゃないですか。偶然ですよ。わたしだって、まさか東雲さんがいるなんて思わなかった……」
しかも学校のトップ的な立ち位置にいるし。
「つか、どう根回しすればこんな事出来るわけ」
「理事長が遠い親戚で、その、事情を話したら色々と融通を利かせてくれたんです」
「事情って」とすぐさま東雲さんが訊いてくる。
「それは……他人に話すようなことじゃないから」
「……他人、ね」
さすがに向こうもそれ以上は踏み込んでこなかった。