ずっとずっと、好きだった
新に好きな子がいるっていう噂は、本当だったんだ。
新の好きな子って、誰なんだろう。
「俺がその子のことを好きだと自覚してから、早いもので4年になります」
4年……。意外と長いんだな。
「俺は今までその子のことを、ただ見ているだけで良いと思っていたけれど。今年同じクラスになって、この文化祭に向けて一緒に準備をして。そして今日の文化祭で彼女の笑顔や頑張る姿を見て、もっともっと好きになりました」
……新、その子のことがすごく好きなんだな。
彼女について話す新の優しい声色から、それが伝わってくる。
本当は、自分の好きな人が幸せになる瞬間を見届けるべきなのかもしれない。
だけど、今の私にそんな余裕はなかった。
「だから俺は今日、彼女に告白すると決めました。今から、大好きな彼女に告白しに行きます」
新のその言葉を聞くと、私はカバンを持って教室を飛び出した。