ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜
 というか質問に答えないのはマズイよね。
「そういえば、三人は恋してないの!?」
 私は質問が途切れたタイミングで他の三人に質問する。
「私はいないよ?」
「私も!」
「私もです……」
 え!? まさかこの中で恋をしているのは私だけなの!? あ、私も「恋」ではないんだった……
「じゃあ、憧れてる人は!?」
 私はとにかく話をそらそうと、別の話題をふる。さっきの服装の話みたいに恋バナとはかけ離れた話題はすぐに話題が戻っちゃうけど、こういう「恋バナっぽい話」ならなんとか繋げていける。これで少しでも恋バナを中断したい。
「憧れてる人ならいるけど……その人女の人だし……」
 美空ちゃんがそう言うと、
「私は憧れてる人もいないな〜」
「私も美空さんと同じです。」
 友唯ちゃんも愛依ちゃんも続く。
 はぁ、この中で異性の人に憧れてるのは私だけなのか……なんか寂しいような気もしてきた。……あ、そうだ! ついでになんでみんなは私が恋をしているって思ってるんだろう……そのことも一回聞いてみよう!
「そういえば、みんなはなんで私が恋をしているって思ってるの? 私、恋してるなんて一言も言ったことないよ?」
 私がそんなことを聞くと、美空ちゃんはこんな事を言った。
「だって憧れてる異性の人がいるんでしょ? 今は違っても絶対その人のこと好きになるって! その憧れはいずれ恋する伏線になってるんだよ!」
「そうかなぁ……」
「うん! 絶対そう!」
 友唯ちゃんまでそんな事言い始めた。
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