ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜
 ……なんでみんなそんなに自信持って言えるんだろう? 別にこれが恋愛につながるとはほとんど思わないし、何回も言ってるけど私は陸斗さんのことお世辞にも「好き」とは言えないし。


 どのくらい恋バナをしていたんだろう。あのあとも色々話したりはしたけど……途中からは恋バナの話題も尽きたのか別の話になっていた気がする。その時、外から鐘の音が聞こえてくる。夕方の5時になったんだ。
「ふぅ、そろそろ時間だね! じゃ、今日は解散で良いかな?」
「そうだね〜、結構色んな話してたから時間の流れが早かったね〜」
「うん! じゃあまた明日、学校でね!」
 私たちはそう言って別れる。美空ちゃんとは途中まで道が一緒だから二人で帰る。帰り道も少し話をして、美空ちゃんの家の前で別れる。

 それからそんなに時間は経っていなかった。交差点をまっすぐ渡ろうと思ったとき。突然角から自転車に乗った人が来て危うくぶつかりそうになった。なんとか避けたからぶつかることはなかったけど、心臓がバクバク言ってる。
「すみません! 大丈夫でしたか……って優夢さん!?」
 え!? どうして私の名前を知ってるの!? そう思って顔をあげると、そこにはなんと陸斗さんがいた!
 まさかのあの自転車の乗り手が陸斗さんだったなんて!
 もうびっくりしたのは収まったからいつもだったら徐々に心拍数が戻ってくるはずなのに、別の意味でもまだ心臓がバクバクしている……
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