ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜
 あぁ、最初は良かったのに勢いが足りなくなって最後の方はすごい小声になっちゃった……!
「う〜ん、どうだろう? 私は陸斗が女の子と一緒にいるのはあまり見ないな……もしかして優夢ちゃん、陸斗のこと、気になっちゃう感じ〜?」
 穂香ちゃんがそんな事を言ってニヤけるので、ビクッとしてしまった。それよりも、陸斗さんのことを呼び捨てにしてるってことは、もしかして関係があるのかな?
「ち、違います!」
「ふ〜ん? そうかな〜? いつも優夢ちゃんは目が陸斗を追ってるんだけどな〜?」
 え、嘘でしょ!? 私、いつの間に陸斗さんのこと、目で追ってたんだろう。きっと無意識のうちになんだろうけど……どんどん私の顔は赤くなっていく。
「あれ? 優夢ちゃん、顔、赤いよ? もしかして!? ……まぁ、多分陸斗のこと好きな人……優夢ちゃんのライバルは多いと思うよ〜? 私、陸斗とは幼稚園くらいからの幼馴染みだからよく分かるんだけど、陸斗ってちょっと無愛想だけどそういうところが逆に人気なのか……一応イケメンだし顔が人気なのか……多分陸斗のこと好きな人はたくさんいて、その理由も色々だと思うな……まぁ多分優夢ちゃんならきっと陸斗に彼女として認めてもらえると思うよ! なんたって同じ部活の同じパートなんだし?」
「そう、ですかね〜……?」
 私はどちらかというと不安だ。というか、私に陸斗さんの彼女なんて務まるのかな……?
 って、私、何考えてるんだろ? とりあえず落ち着かないと……!
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