ブラスバンド! 〜青春は吹奏楽部で〜
 でも、そんなことを気にせず、吹奏楽部の演奏を聞いて、楽器体験の時間になった。私はいろんな楽器を体験した。楽器の体験を楽しんでいると、あっという間に下校の時間になってしまった。

 下校のときに、弘樹から話されたことをそのまま美空と友唯に言った。
「でもさ、誰かに誘われて部活は入るなって先生も言ってたじゃん? ま、私はどちらにしろ吹奏楽部に入るつもりだけど。」
 確かに美空ちゃんの言う通り。先生からは友達に誘われたからといって、何も考えずにその部活に入るなと言われた。
「じゃあ、明日また優夢があの先輩から詳しい事情を聞いて、また私たちに教えて?」
 そう友唯に言われて、
「分かった。」
と言って別れた。
 しかし、そんな優夢は、ある問題を抱えていた。それは、優夢が人見知りなことだ。みんなからは親しみやすいと言われるが、本人は普通に話しかけてるだけ……なんならあまり優夢から知らない人に話しかけることはない。実際に美空も友唯も、優夢から話しかけたわけではなく、美空や友唯から話しかけてきてくれて親しくなっただけ。美空はさっきの発言からも分かるように、ほぼ確実に入ってくれるだろう。友唯は分からないが、入ってくれるとするとこれで3人。あと1人足りない。
「私から話しかけるしかないのかな……?」
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