私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。


「でもあいつ返信返したのか。律儀だな」

「んなことするから余計離すもんかってなるんじゃねーの?」



どきん,とまた心臓が鳴る。

そう言う考え方も,あるのか……

恋愛って分からない。



「えー,じゃあ理由が分かればそれでいいわけ?」

「っあるなら! それで私は……まぁ諦めてもいいかな」



響くんは全員に聞こえるよう,少しだけ声を大きくした。



「本命が,出来た」



すごい,適当な調子なのに。

たった一言だけで。

全員を黙らせてしまった。

しん,と。

感じたことのない静粛に包まれる。
< 40 / 143 >

この作品をシェア

pagetop