私の彼氏,ちょっぴりクズっぽい,です。




「ねーぇ,どういう事なの? 響!」

「ちょっと待って,私の用事が先だから! ってかここにいる女子皆なの? どーでもいいけど退いてよ!!」



朝から廊下を埋め尽くす女子の大群。

その想像を上回る人数に,私は一人汗をかいていた。

中には制服の違う女子まで混ざっていて,驚いているうちに教師に連行されていく。

その中で



「どーもこーもないよ。全員昨日でサヨナラって,それだけ。ちゃんと説明したでしょ?」

「だからそれが意味分からないんだって! 返信も一々遅いし!」



不遜にあしらうのは響くん。

ざわざわ,ざわざわと。

担任はまだ来ないのか,騒ぎは収まらない。

あ,れ……もしかして。

自分の価値観だけで勝手に縁を切ってしまったこと,良くなかったのでは無いだろうか。

彼女達は誰一人傷付いていないし,別れることも望んでない。

この状況にショックを受けている様子の,優菜以外は。

余計なことをしてしまったのではと,頭はぐるぐる,心はもやもや。

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