身代わり婚約者との愛され結婚

2.わからない花の意味を探して

 身代わり婚約者であるレヴィン様とのお茶会を終えて一週間。
 二十歳の誕生日を迎えた私も、このターンバル国基準で言う成人、つまり大人の仲間入りである。


“お父様、お母様との食事までまだまだ時間があるわね”

 私を溺愛してくれている両親たっての希望で、誕生日当日である今日の昼はいつもより豪華な食事をしようと提案を受けていた。

「暫く忙しくなりそう」

 正直誕生日当日くらいゆっくりしたいと思うものの、成人した誕生日というのはやはり特別。

 大人の仲間入りを果たしたことで、これから夜会に参加できるようになるからだ。

 
“しかも早速生誕パーティーもあるし”

 昼は両親と食事を楽しみ、夜は成人祝いのパーティー。
 それも自分の誕生日なのだから主催は自分である。

 
「準備は使用人の皆も手伝ってくれて順調だし大丈夫だけど……」

 昼間のお茶会はエスコートなしでも問題はないが、夜会となれば話は別。
 開催場所がエングフェルト家だからといって、エスコートがいらない訳ではない。
 
 婚約者がいる私の場合、選べるエスコートは父か婚約者の二択、なのだが。
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