身代わり婚約者との愛され結婚
「あのオペラに出てきた騎士は、どんな気持ちで一人過ごしたのかしら」

 答えなんてきっとないけれど。

“後悔して過ごすより、女神様に届くと信じて走り続けたんじゃないかしら”

 女神様に好かれていた自分でいるために、目の前のことからひとつずつ。

  
 だから私も、ただの『アルベルティーナ』として。


「――信じるわ」


 レヴィンも頑張っているはず。
 ならば私も立ち止まらない。

 彼との約束を守るため、そして憧れた未来を掴むために、私は私の出来ることからひとつずつこなしていくことを心に誓ったのだった。
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