身代わり婚約者との愛され結婚

25.私にだって、出来ること

“向こうの状況や契約の内容がわからない以上、私からからレヴィンに接触するのはリスクが高いわね”

 だからこそ私にできることは待つことしかない、とは思うのだが――……


「お嬢様、とてもお可愛らしいですよ」
「ありがとうハンナ。早めに帰ってくるわ」

“情報収集くらいはしてもいいはず!”


 ニークヴィスト侯爵家からの返事を待っている時に来ていた夜会や茶会の招待状。

 元々婚活がメインのこういった顔繋ぎ活動は、婚約者がいた頃は避けていたのだが。

 
“こういうところに思わぬ情報が転がっているものだもの”

 流石に婚約破棄したばかりの私が突然一人で夜会に参戦する――なんていう話題を提供するのは御免だが、ならば茶会なら……と、私は片っ端から昼間の茶会参加の返事を出していた。


 そして今日が婚約破棄後はじめての茶会。

 
 状況だけ見れば、婚約者を裏切り乗り換えようとしたのが私。
 そして天罰が下ったクラウリー家。
 裏切られ、それでも婚約者だった私のために慰謝料も請求しなかった心優しいニークヴィスト家。
 
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