身代わり婚約者との愛され結婚
 この執務室には私たち以外誰もいないのに、わざとらしく耳元で囁くレヴィン。
 彼の少し掠れたような甘い声が耳をくすぐりぞくりとした。

 
「も、もう……っ!」
「真っ赤ですね、可愛いな」
「明日! 明日までお預けだからっ」
「もちろんです」

 耳から頬へと触れるだけの可愛い口付けを何度も落としてくる。
 
「明日が待ち遠しいな」
「明日の昼も待ち遠しく思ってよね?」
「ははっ、もちろんですよ。だって今はもう、本物なんですから」

 そして最後に、そっと私の唇に口付けを落としてくれたのだった。
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